今月のテーマ
・子どもの脱水症状
・「ごめんなさい」が言える子どもに
・子どもの水遊び
・皮膚のトラブル
子どもの脱水症状
夏になると「脱水に気をつけましょう」という言葉をよく耳にします。しかし「脱水」がどんな症状かわからなければ、「気をつけましょう」と言われても、どうしたらいいのかわかりません。
文字どおり、体から水分が失われた状態を「脱水」といいます。しかし、ちょっと汗をかいたぐらいでは脱水とはいいません。水分が不足すれば、体から水がでていかないような防護機構(主に腎臓)が働きます。すると、おしっこの量が減ります。子どもは半日おしっこが出ない時は、脱水があると考えてよいでしょう。元気がなくなり、目がくぼみ、皮膚にしわが寄り、口の中はカサカサに乾き、泣いても涙が出なくなります。
子どもの飲む意欲に任せていると、下痢がひどいときは特に脱水を起こしてしまうことがありますので、時間を見てこまめな水分補給をしましょう。しかし、下痢が多い時は、単なる水分補給ではいけません。下痢は汗よりもずっと多くの塩分を含んでいて、水だけではなく子ども用のイオン飲料や経口補水液を少量ずつこまめに飲ませましょう。また、顔色が悪く皮膚が冷たくなり呼吸もあらくウトウトしている時などは、特にできるだけ早く診察を受けましょう。
「ごめんなさい」が言える子どもに
何か悪いことをしたときやほかの人に迷惑をかけたときなどに、「ごめんなさい」のひと言が言えるのは大切なことです。しかし、これは誰かに強制させられたり、イヤイヤ言うものではありません。
「ごめんなさい」は本来、自分のしたことの意味や相手の思いをきちんと理解して、反省の気持ちから発せられる言葉です。まわりの大人や親が、「ほら、ごめんなさいは?」などとせかしたり、無理に言わせてしまうのでは、その根本的な意味が薄れてしまいます。
「ごめんなさい」が言えない状況には、いくつかの理由があります。
- 自分が悪いとは思っていない
- 本当にどうしていいのかわからない
- 自分の気持ちがうまく表現できない などです。
単に「ごめんなさい」という行為だけにとらわれず、子どもの気持ちという一番大切なものを見逃さないようにしましょう。このような場面では、子どもの気持ちに寄り添い、察してあげて、叱るだけでなく一緒にごめんなさいを言ったり、言いたくても言えない気持ちを代弁してあげるなど、さまざまな関わり方を試してみましょう。年齢が低い幼児にとっては何かが起きて、謝ることになっているのかさえ分からないこともありますので、分かりやすく話をしましょう。
また、子どもの行動や言動を責めるのではなく、きちんと聞いてあげることも大切です。
子どもの水遊び
水遊びは、子どもが大好きな夏ならではの遊びです。バケツに水を入れ泥んこ遊びをしたり、またはプールに入り水しぶきの感覚を喜んだりと、子どもは水が好きです。
しかし、時にはプールを怖がる子どもがいるようです。そのような時には、小さいビニールプールに手をつけることから始め、「これだったら怖くない」と思える遊びや徐々に身体を濡らしてプールに入れるように段階を踏んでサポートしていきましょう。その他、水が顔にかかって嫌な思いをしたりするなど、お風呂等での恐怖心につながる経験はなかったか考えてみましょう。そうした可能性がある時は、お風呂のお湯を使った遊びをしてみましょう。また、決して無理強いはしないようにしましょう。
プール遊びに限らず、何か苦手なものがあると、大人はすぐに克服させたいと思うものです。そんな時は少し考え方を変えて、「今、この子が好きなこと」や「楽しんでできること」に目を向けて寄り添いましょう。きっと、子どもは自信をもって行動できるようなります。
人から認められ自信をもつことができれば、少し時間はかかっても苦手なことは克服されその子なりの達成感を大切にしてあげましょう。
皮膚のトラブル
日本の夏は高温多湿で近年の猛暑も加わり、ますます過ごしにくくなり皮膚のトラブルは増加傾向にあります。子どものあせもは、汗が皮膚の中にこもっていたり、流れ出た汗が皮膚面に残っていたりすることで生じる湿疹です。
予防として下着は通気性のよいものを着て、汗を吸い取るようにして夜の入浴はもちろん、昼間にもシャワーで皮膚のケアをしエアコンで湿度と温度を調整し、快適に過ごすようにしましょう。
また、夏は皮膚の露出が増え、蚊などの活動も活発になります。子どもは刺されやすく、ひっかくと腫れたりとびひになったりすることもあります。
とびひは皮膚表面で細菌感染が起きている状態で身体のあちこちに飛んでいくので「飛び火」といわれ、子どもは、皮膚の抵抗力が弱い上に細菌が容易に増殖し夏場は特におきやすい季節です。
とびひになったら入浴や水遊び等、きょうだいなどでさせる時は傷口を覆い、タオルの共有はしないように感染予防に心がけましょう。そして、温かいとかゆみが強くなりますので入浴後、皮膚は冷やすように工夫し、清潔にすることも必要です。また、抗菌薬による治療(内服、外用)が必要ですから受診しましょう。
参考文献
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じょうずな𠮟り方・ほめ方
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少年写真新聞社 ほけんニュース 他
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