今月のテーマ
・いやいやばかり言う子
・赤ちゃん返りになる子どもについて
・いたずら
・内弁慶な子どもとの接し方
いやいやばかり言う子
一般的に第一次反抗期で、なんでもかんでも「イヤッ」と言うようになるのは自己主張の現れです。でも、この「イヤッ」は、大人のすることに反対したくて言っているわけではありません。
自分の要求、自分の考えが出てきた自我のめばえでもあります。
1歳半ごろからは、子どもは自己を確立し、自尊心も強くなってきます。ところが「自分はこうしたい」という気持ちを表現できるところまで、言語能力は発達していません。
そこで、とりあえず、自分のしたくないこと、してほしくないことを阻止するために、自分の知っている最も効果的な言葉である「イヤ」を連発してしまうのです。ここで注目したいのが、子どもはイヤとあわせて「自分でする」という言葉をよく使うこと。つまり、この反抗期は、むしろ自主的に積極的に行動したがっている時期なので、正常な発達です。
ですから、この時期の子どもが、できるだけ自分でいろいろな事をする機会を与えてあげましょう。しかし、何でも子どもに譲るのもよくありません。親と子の主張をどう調整するかを教えることも大切です。
対応の仕方としては、やらせて支障がなければ「どっちにしようか?」と子どもに選択権を与えましょう。そうすると「こっち」と得意そうに主張します。こうして、自分が主役になってみる機会が欲しいのです。
主役になって満足すれば、次に相手の主張を認めようとします。無論、選択の範囲は、せいぜい二つにひとつか、三つにひとつくらいで何でもかきまわされないようにしなければなりません。
疲れている時、眠い時、お腹の空いた時、自分でもどうして良いか分からず「イヤ イヤ」と言っているときがあります。こんな時に意見を尊重していては、事態は複雑になるばかりです。
一見、子どもを尊重しているような、ぐずついた態度はかえって長引かすので、くどくど言うよりサッと体を抱き上げ、他へ連れていって素早く気分転換を図ってあげましょう。
赤ちゃん返りになる子どもについて
弟や妹ができると、いままでの生活習慣が変わり、赤ちゃんに戻ってしまうことがあるという事例はよく知られています。お母さんが下の子どもにおっぱいをあげていると、おしっこが出るとかお水を飲みたいなどと親を困らせます。また、おしっこを教えなくなって、再びおむつに戻る子もいます。そうかと思うと夜のおむつを嫌がって、それでも親が強引におむつをしようとすると、パニック状態になったりします。また、赤ちゃん返りとはちょつと違いますが、下の子に手がかかるので、どうしても上の子との触れ合いの時間が少なくなり、言葉の発達が遅くなったり赤ちゃん言葉で話したり、時にはあまり話さない子になるとこもあります。
兄弟ができた場合でなくても、自宅に赤ちゃんが遊びにきたりすると「ぼくも、赤ちゃんする」と言って赤ちゃんのまねをします。一緒に哺乳びんで牛乳を飲んだり、ハイハイをしたり「赤ちゃん」と言ってお母さんに抱っこされるのは大好きです。来客や食事の支度などで忙しくしているときも、赤ちゃん返りのしぐさで親の関心をひこうとします。それを、受け入れてもらえないと心理的なストレスからチックや爪かみ、指しゃぶりなどが表れることもあります。赤ちゃん返りかなと思えるときは「もう大きくなったんだから」とか「お兄ちゃんでしょ」と言わないで、ときには思いっきり受け入れてあげることも必要です。
子ども自身がまわりの大人から大事にされているということが、心から感じられたら赤ちゃん返りも次第にしなくなるでしょう。
いたずら
例えば、ティッシュペーパーの箱から次々とペーパーを引っ張り出し、箱を空っぽにしたり、お母さんの化粧台の引き出しを開けて、化粧水やクリームをそこらじゅうにふりまいてしまった、あるいは口紅をいっぱい塗ったりするなどは子どものよくするいたずらのひとつです。
いたずらは、親に言われたり強制されてやるものではありません。
子どもが自分でやってみたいと思ってとる自発的な行動なので理解してあげましょう。いたずらの激しい子どもは、それだけ好奇心が旺盛だと言えます。
子どものいたずらをできるだけ許す為には、いたずらをされて非常に危険なものは、子どもの手の届かない所に閉まっておけば良いわけです。
特に化粧品や薬、洗剤などは届かない場所か鍵のかかる引き出しにしまっておきましょう。
ティッシュペーパーは、箱から出されてしまっても別の入れ物に入れれば、見た目が多少悪くても使えますので、叱らなくてもよいいたずらではないかと思います。
そして、言葉が理解できるようになったらいたずらをすると、あとで困る人がいるということを教えることも必要です。
そうすることが、子どもの思いやりの心につながっていくのではないでしょうか。
他人に迷惑をかけるような事はその場で、注意しなければなりませんが少しのいたずらは、あまり厳しく叱らないようにしましょう。
そうすることで、子どもの自主性が育ち、明るく意欲的な子どもに育つでしょう。
内弁慶な子どもとの接し方
家の中では、活発で元気に話をしたり、動いたりしているのに外へ出ると、黙ってしまい、お母さんのそばから離れずお友だちと遊べない子がいます。
このような子どもを見ると、家の中で大人だけを相手に育ってきた子どもが多いようです。周りの大人は優しく大事にしてくれて、先へ先へと子どもの要求を聞いてくれます。
しかし、外の社会へ出たらそうはいきません。
我慢しなければならないことがたくさんあるため、どうしたらいいかわからなくなると心の内側に逃避してしまうのです。
そういった場合、できるだけ家族以外でも関わりを持つ機会を増やし、友だちと遊ぶ体験を沢山させるなど、友だちとはどういうものかということを経験から学ばせましょう。
はじめは、我慢したりつらいこともありますが、友だちと協力したり、仲良く遊ぶことは楽しいものだということが子ども心に分かってくるでしょう。
一方、家の中でも甘やかしたり、過保護にしたりしないで子どもがひとりでできることは、なるべく自分でさせるようにします。
洋服を一人で着る、ご飯も自分で食べる等、身のまわりの事にお母さんは、あまり手をかけすぎないようにし、『子どもが愛されている』『守られている』という喜びの感動をたっぷり味わえるようなふれあい方を増やしていってほしいものです。
子どもに自主性、自立心が育ってくると自分に自信が持てるようになるので、外へ行っても自分を主張したり表現したりできるようになるでしょう。
できるだけ、気長にあたたかい目で見守ることも大切です。
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