今月のテーマ
・おもちゃの取り合い
・子どもの意欲
・夜泣き
・赤ちゃん返り
おもちゃの取り合い
おもちゃや物の取り合いは、子どもの「心の成長」の現れです。
夢中であそんでいるうちに『これは自分の物』という自我の芽ばえから、物の取り合いとなるのも無理はありません。
当然、他の物で気を紛らわすことはむずかしく、時に激しい取り合いとなることもあるでしょう。子どもが危険な行為にならないように見守り、これが好きなのね』『おともだちも同じものが好きなんだって』など、子どもの気持ちに寄り添いつつ話してみましょう。
大切なことは、『子どもの気持ちを受けとめる』とともにフォローしたり、おもちゃをたくさん用意してみるのもよいでしょう。少し大きくなると、年齢によっては『どうしたらいいかな?』と問いかけをして、子どもと同じ気持ちを共有してみましょう。また、いっしょにあそぶようなきっかけを作ることで、次第にお互いにおもちゃを一緒に使って遊べるようになったりと、子ども同士が楽しめる経験をすることも大切です。
遊びを通しておもちゃの貸し借りなどがわかってきはじめ、「貸したり借りたりなどができたらほめる」ことも重要です。ほめられた経験は子どもにとって自信となっていきます。
子どもは遊びを通して学び、また相手の気持ちへの気づきや理解にもつながっていくことでしょう。まずは目の前の子どもに向き合い、子どもの声に耳を傾け、語りかけながら遊びを経験していきましょう。
子どもの意欲
子どもは本来、やる気のかたまりと言われます。
「ドアをじぶんであけたかった」「くつをじぶんではきたかった」と、大人がいつも通りに手伝っていたことに抵抗や反抗を示します。「じぶんで!」と子どもが強く自己主張し始め、自分で努力しようとすることが2歳くらいからみられます。
靴を自分で履けなかったばかりに子どもが大泣きしてしまったり、忙しい朝に、結局子どもが靴を履くことを再度挑戦してやっと納得、ということもよくありがちです。子どもの自分でやりたい気持ちを汲みとりながら、忍耐強くつき合っている姿が目に浮かびます。
またおしっこの後トイレの水を流すのは「じぶんで」「ひとりで」や、「○○ちゃんが、ながす」と自分の名前を出して主張します。
子どもは、自分が出来ることや自分がやっていることよりもさらに「もっと~したい」「もう一回やる」という意欲や挑戦しょうとする思いがどんどん強くなっていくようです。生活のあらゆる面で自分の欲求が通らない時にはだだをこねる姿も現れ、自分の気持ちをしっかり持ち、自我の芽ばえからの成長なのです。
これから成長とともに、好みの服を選んだり、一人で手を洗ったり、自分から料理の手伝いをしてみたりと大活躍してくれます。親は、子どもの意欲は何かをさぐり冷静に対応することで、子どもは大きくなろうとする気持ちを受け止めてもらえ、“自我の力”が育っていくことでしょう。
夜泣き
乳児期の夜泣きは、一時的な現象であることが多く、人見知りの激しくなる、生後7~8か月ごろは昼間の感情体験が豊かになり、不安や緊張が増し、怖い夢を見て泣くことがあるのかもしれません。また、眠った後、しばらくして急に激しく泣きわめき、あやしてもおさまらないこともあり、親は途方に暮れてしまいます。多くの場合はしばらくたつと泣き止むこともありますが、昼間の様子を振り返ってみるのも大切です。
例えば、雨で一日中部屋に閉じこもっていた、風邪などで体調を崩している、昼間見知らぬ場に出かけて興奮した、慣れない来客でごたごたした時などは、子どもの生活リズムが崩れ、夜泣きが出やすくなるでしょう。そんな時は、優しく抱いてあげ、しばらく落ち着かせるようにし、ゆったりした生活リズムに戻してあげましょう。
また、日中、眠い時に眠れなかった、ママやパパと遊びたい思いから昼夜逆転し、夜泣きに繋がることもあるでしょう。パパやママにとっては“どうしょうか”と、考えがちですが、ゆったりと抱いて、思いに寄り添うようにしましょう。子どもは欲求が満たされると、ぐっすり眠れるのではないでしょうか。
夜泣きの原因として、空腹、寒さ、暑さ、オムツの汚れ、寝具や衣服による圧迫など身体的要因や、神経質や緊張など心理的要因などがあります。原因を突き止め、具体的な理由があれば取り除いてあげるのが大切です。また、具体的理由がない場合は生活リズムを整え気持ちが落ち着くようにするのがよいでしょう。あまり長い期間夜泣きが続く時は、専門家や小児科で相談してみましょう。
赤ちゃん返り
妹や弟が出来ると、今までの生活リズムが変わることがあるということはよくあります。上の子どもにとっては赤ちゃんが生まれたことで、今までのようにお母さんの愛情を独り占め出来なくなり、精神的に不安になります。これが『赤ちゃん返り』と言われています。
例えば、お母さんが下の子におっぱいを上げていると、おしっこが出るとか、お水を飲みたい等と言い、おしっこを教えなくなって、再びオムツに戻る子どももいます。そうかと思うと、夜のオムツを嫌がることもあります。
親としては上の子どもも下の子どもも同じように愛情を注ぎたいと思うでしょう。しかし、どうしても手のかかる下の子どもさんを優先してしまいがちです。
上の子どもも甘えたいのに満たされない”という、寂しさだけでなく赤ちゃんに対する関心や「かわいい」という気持ち、“いい兄・姉になりたい”という思いなど、子どもなりに様々な思いを抱えているはずです。時には抱っこしてほしい気持ちになることもありますが、同時にそんなこと恥ずかしいと思う気持ちも持っているかもしれません。子どもの自尊心と甘えたい気持ちの両方を大切に受け止めながら、関わりを心がけましょう。子どもと接する中で「甘えたい時は甘えてもいいんだよ」というメッセージが自然と伝わることが大切です。赤ちゃんの存在を意識した一つの成長ととらえてみるのも良いです。
赤ちゃん返りかなと思える時は、「もう大きくなったんだから」とか「お兄ちゃんでしょ」とか言わないで、ときにはうんと甘えさせてあげることも必要です。
また、「あなたのことが大好きだよ」「あなたのことも大事だよ」ということが感じられると、赤ちゃん返りもしなくなるでしょう。
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