今月のテーマ
・「早くしなさい」の言いかえ
・衣服の着脱
・子どものサイン
・お風呂でスキンシップ
早くしなさい」の言いかえ
ついつい言ってしまいがちな「早くしなさい」。言いたくないのに言ってしまって、後悔する方も多いのではないでしょうか。
「早くしなさい」は、日本の子どもたちが大人に最も言われている言葉だそうです。特に時間がないワーキングママは口にしてしまうかもしれません。
でも、ちょっと待って。なぜ「早く」しないといけないのでしょう?それって、ほとんどは親(大人)の都合かもしれません。早く出かけないと会社(仕事場)に遅刻するのではと、ついつい言ってしまうのでしょう。子どもが何かに気を取られたり、特に理由もなくダラダラしていたりするときは、「玄関でおくつさんがまってまーす」「今日の空の色は何色かな」とか「昨日、咲きかけていたお花さんはどうなったかな?もう咲いたかな?見に行ってみようか」など、これから先の見通しが具体的に想像できる言葉をかけてみましょう。
しかし、いつもはできるのにグズグズしている時は何か理由があるはずです。顔色を見たり、体温を計ったりしましょう。子どもの体調や気持ちの問題なら「どうしたの?具合が悪いの?」とか「何か困ったことがあるの?」と尋ねてみましょう。「お友だちの〇〇ちゃんが待っているよ」とか、「今日は、どんな絵本のお話しかな?」と楽しいことが思い出せるような言葉で誘ってみるのも効果的です。
子どもは、信頼できる親(大人)の言葉かけや関わりで心が育っていきます。頑張りすぎるとつい否定的な言葉が出てしまいがちですが、気分転換してゆったりとした気持ちで子どもに見通しができる言葉かけをしてみましょう。
衣服の着脱
子どもは成長すると共に、衣服の仕組みやデザインも変わっていきます。そして、少しずつ子ども自身で脱いだり着たりしていくようになります。
子どもが衣服への関心や着脱することに興味が出てきたら、よい機会です。
例えばパンツ(ズボン)をはく時は台に腰かけるとはきやすいです。また、柔らかい素材であったり、サイズに余裕があれば着脱しやすいでしょう。
ボタンかけであれば、通しやすい大きめのボタン穴で両手が使えるようにし「トンネルくぐって引っ張ってごらん…ほうら、出てきたね。ボタンが掛けられたよ!」などと、子どもといっしょに言葉かけをしながら手を軽く添えて実際にやって見せることで、出来た喜びを共にし、「できた!」という達成感を感じることができます。それがやがて子どもの自信に繋がっていきます。
もし、子どもに体験をさせずに、大人の都合だけでやっていると“自分で〇〇〇したい”という意欲が芽ばえにくくなくなることがあります。
子どもによっては着替えに時間がかかったり、見た目が悪くても、それは子どもの頑張った証だという事を認め、行為や気持ちを受け止めていきます。
親(大人)が喜んでくれた、子ども自身も嬉しいという同じ気持ちの共有が絆にもなるので気長に関わっていきましょう。
また、着脱への意欲が少しずつ、衣服のかたずけや服の選び方などに繋がっていくことでしょう。
子どものサイン
幼い頃から親に共感してもらい気持ちを受け止めてもらえると、親子の強い絆となり、子どもは安心して自分からいろいろな事を話せることにつながります。
子どもは、さまざまな経験を積み重ねて成長していきますが、時にはいろいろな困りごとや不安から、特に学童期になると無口になったり体調を崩すなどの、その子どもなりのサインを出してくることもあるでしょう。
その時はたくさんの言葉よりも、まずは子どものそばに座っているだけでもよいとも言われています。自分のかたわらに、親が寄り添ってくれるだけでも子どもは安心するようです。そして困ったことがある時に、話を聞いてもらっただけで問題が解決していなくても気持ちが楽になったという経験は誰にでもあるでしょう。
もし子どもが、話してくれないときは無理強いはしない、話してくれなくても「いつでも聞くからね」と伝え話してくれるのを待ち、また話してくれてありがとうという姿勢で聞くなど、子どもがサインを出せたことを前向きにとらえることが大切です。子どもの気になるサインにとらわれ過ぎずにゆとりをもって笑顔で接し、子どもの思いに共感した表情で目を合わせてゆっくりと子どもと向きあうのがよいでしょう。
わずかな子どもの変化やサインに気付けるよう、幼い頃から子どもの声に耳を傾け、表情をよく見ていきたいものです。
子どもの便秘
子どもの快便は、生活習慣を整えることです。
「朝昼晩、大体決まった時間に3食バランスのいい食事をとること」、「十分な睡眠をとる」ことは大切なことだと思います。
しかし「生活習慣を整える」とはいえ子どもは個人差があり、中にはふだんから朝寝坊をしてしまう子どももいます。また、朝は出勤の準備などで、とても忙しい家庭もあります。さまざまな事情がある中で、生活習慣を整えるために無理をする必要はありません。無理に整えるのではなく、それぞれの家庭の状況に合わせた整え方をするといいと思います。
忙しい中で、「○時までに、子どもにごはんを食べさせなければいけない」のような行動する時間を決めた生活をしてしまうと、両親のピリピリした緊張感が、子どもに伝わってしまいます。結果、「子どもは落ち着いた環境がないため、排便することができない」といった状態になってしまう可能性があります。
そういったことがないように、早寝・早起き・朝ごはんを中心に「生活は楽しく」「食事はおいしく」を心がけるようにしてみましょう。
朝の起床後の体は、排泄への準備をしていますが、その働きを助けるためには、できるだけ野菜のスープやフルーツなど水分、ビタミン、ミネラルをきちんととることで、便秘が解消することがあります。朝ごはんは、夜ごはんを食べるのが遅いと朝起きたときにごはんを食べられなくなることがあるため、夜ごはんの時間を調節していくとよいでしょう。子どもによって個人差はありますが、自然と生活のリズムが整うことで健康のリズムすなわち排便のリズムができます。
家族で食物繊維をとるような食生活をしていると、将来子どももそのような食生活になる傾向があるため、その習慣を続けることは大切です。
参考文献
- 0最新改定版らくらくあんしん育児、情報紙増刊号
- 自己肯定感をのばす育て方、ベネッセHP 他
※聞いてみたいテーマがあればコメント欄にお寄せください。