今月のテーマ
・4月になると
・ものをたいせつにする心
・「待つ」ことの経験
・トイレでの排せつ
4月になると
桜の花も咲き、4月は入園や進級または転勤などで環境が変化し新たな人との出会いが待っていたり、大人だけでなく子どもも新鮮な気持ちで期待に胸をふくらませる時期です。それと同時に、期待とともに心の片隅に少しの不安もわくことがあります。
この季節、希望と期待の半面、新しい環境になじめず不安になるわが子をみると親も不安になったり、落ち込んだりすることも少なくありません。
このような時は、わが子に意識して向き合い、子どもが今できていることを言葉にしてほめましょう。そして子どもの努力している過程を認めて、励ましてあげましょう。子どもの不安な気持ちを和らげてくれるのは親が子どもを優しく抱きしめたり、ありのままの気持ちを言葉にして「○○だったんだね」と共感することです。子どもを尊重しつつ、見守りながらも必要な時には言葉かけや手助けをすることで子どもは安心して過ごしていけるようです。
この春、子どもの心に寄り添いながらわが子なりの足並みで成長していく姿を広い心と長い目で見守っていきましょう。
ものをたいせつにする心
物が豊かな時代になっていますが、最近「もったいない」と感じるようなことがありましたか。
もったいない=ケチでしょうか。
この2つは、イコールでは結べないと思います。もったいないは、ものを最後までたいせつに使う「合言葉」ではないかと思っています。「物をたいせつにする」心は、日常の生活習慣を通して伝えていくことができます。例えば、色鉛筆が短くなった!としたら、キャップを付ければまだ使えます。これはケチではなく、物を大切にする気持ちからのひとつの工夫です。
料理を作るとき、ニンジンや大根の皮はどうしていますか?少し厚めにむいて取っておき、野菜炒めやスープに利用してみるのもひとつの方法です。すると「え?皮も食べられるの?」という気づきや、皮だって大根の葉だって食べられることを知る機会となります。ただ、硬いなら、細かく切るとか、そういった方法や工夫も一緒に知らせると良いでしょう。
また、朝の歯みがきや手を洗うときに水をだしっぱなしにしたり、必要以上に水を出したりするのは、よく見られる光景です。水をたいせつに使うことが習慣として身につくまで、「たくさん出さないでね」と声をかけましょう。その時に、「お水を使いすぎると大好きなプールに入れなくなっちゃうからね」などと、身近なことで理由づけをすると、子どもはイメージがわくので伝わりやすくなります。
物が豊かになった今の時代だからこそ、次世代を担う未来ある子どもに伝えたい「ものをたいせつにする心」と思います。子どもといっしょに、できることからはじめてみましょう。
「待つ」ことの経験
生活の場では、いろいろな場面で待つことを経験します。
家庭に限らず集団生活になると、子どもはその「待つ」なかに順番があることを知り、待てば自分の順番がまわってくることを次第に理解していきます。なかには自分の番を早くと主張する子どもには、「ちょっと待っててね。順番にね」と「順番」ということばを伝えます。そして順番が待てた時には、「お待たせしました」とことばを掛け、「待つ」ことができたことをほめましょう。こうした大人のこまやかなことばかけによって、子どもは社会生活のルールを知るとともに、自然に身につけていきます。
その一方で、行動の早い子ども、ペースがゆっくりの子どももいます。待つことだけでなく、まわりの人への思いやりとして待つことも教えていけるとよいでしょう。
例えば、家族で手洗いの際や出来上がったご飯を受けとる時など、小さい子どもから先にしたり、ゆとりある時はじゃんけんで順番を決めてみたり、少し工夫して「待つ」経験の機会を意識的に作ってみるのもひとつの方法です。
生活や遊びの中でたくさんの経験をすることで、「順番を待つ楽しみ」の芽を育んでいきましょう。
トイレでの排せつ
トイレの自立に向けて家庭で取り組めることは、排泄することは大切と思えるタイミングでトイレに誘うことです。
子どもと散歩に出かける前や入浴の前など、先に排せつしたほうがゆっくり楽しめる時間帯を選びます。寝起きは排せつのグッドタイミングですから、寝起きのいい子どもはここでトイレに行くと成功しやすくなります。「お父さん(お母さん)がトイレに行くからいっしょに行こう」と誘い、排泄のモデルを示すのもいいかもしれません。
そしてトイレを使いやすく、居心地の良い空間にすることも大切です。洋式トイレに、補助便座を乗せて使いやすい安全な便座にすると良いでしょう。気をつけることは、子どもからすると足のつかない高い位置で便座に座っているので、恐怖感につながることもあります。その際は足を乗せられる踏み台をひとつ置く工夫だけでも、高さへの安心感が違ってきますし、しばらく便座に座っているためには楽しみも必要です。例えば、トイレのドアに子どもの好きなキャラクターのポスターを貼る、閉塞感を嫌う子どもには、しばらくは戸を半開きにしておくといった配慮などをします。
大切なことは、トイレでの排せつを急ぐあまりにトイレ嫌いを生まないということです。トイレ嫌いを修正するほうが、何倍もエネルギーを要するからです。
子どものペースを大切にしつつ、無理なく親子でトイレでの排せつの自立をめざしてみましょう。
参考文献
-
あんしん子育て
-
すこやか子育て情報
-
道徳性の芽生えをつちかう 他
※聞いてみたいテーマがあればコメント欄にお寄せください。