今月のテーマ
・子ども同士のトラブル
・子ども自身の伸びる力
・夜尿(おねしょ)が治らない
・夏の子どもの部屋と環境
子ども同士のトラブル
幼児期の段階では子ども同士のトラブルはいじめではなく、遊びの方法や話が伝わらずにおきることで誰でも経験することです。
子どもの中には、友だちと遊んでいるときにマイペース型で、なおかつ攻撃的であり、自分の欲求を通すためにすぐに相手に手を出してしまいます。これを大人から見ると、いじめのように見えてしまうのです。
一方、嫌なことをされても反抗しないで、すぐにおもちゃを手放してしまう子どもなどは、直観的に見抜いてしまい、その子どもは集中的におもちゃをとられたり、泣かされてしまいます。これを大人から見ると、いじめられっ子のように見えるのです。
攻撃的な子どもには「これが欲しかったんだね」「貸してって言えるかな」とそのつど教えていくと、遊びのルールが分かってきます。この場合、理由をきいてあまり強く言いすぎることはよくありません。
トラブルの時には、友だちとの遊びが苦手にならないようにフォローしてあげましょう。いじめは、心に傷が残るものですが、この幼児期は本人はいじめられたという意識がないので上手に切りかえてあげましょう。
また、かみつきなどの行為が見られたら、子どもに何かストレスを感じさせていないか、生活の中で変わったことはないかと考えてみましょう。
まずは、親子のふれ合いを多く持ち、子どもとゆったりと過ごせる時間を作っていきましょう。
子ども自身の伸びる力
育児書を読んで不安になった経験は、だれにでもあると思います。子どもを育てていくと、育児書に書いてあることとは違う場面に出会うこともあります。
離乳食をせっかく作ったのに、全然食べてくれない。3か月頃まではよく寝ると書いてあるのに寝ないで泣いてばかりでいる。5か月で寝返りが始まると書いてあるのに、6カ月になってもしない。育児はこのような不安や悩みの連続です。
このような悩みは、もちろんそのときどきでは大きな問題ではあるのですが、基本的に子どもが元気ですくすく育っていれば、その成長を見守りましょう。
それには、子ども自身の伸びる力を信じることが大切です。子どもは、自分自身で伸びようとする力を持っています。そして、一人一人がそれぞれに合った伸び方をします。こうした伸び方の違いはどこからくるかといえば、生まれ持ったその子どもの性格や環境だと思います。
育児書はそのトータルを平均化して載せているのですから実際には育児書と同じ子どもはいないということが分かります。
また、子どもにはそれぞれの個性があることを認め、ありのままの姿を受け入れ子ども自身に合った伸ばし方をしていくと必ず伸びていくでしょう。
夜尿(おねしょ)が治らない
夜尿とは、尿をためる膀胱の未発達と、夜間睡眠中に作られる尿量とのバランスが悪く、
無意識のうちに尿が膀胱からあふれて下着や衣服を濡らしてしまうことをいいます。
幼児期にみられる夜尿は、ほとんどが生理的なものであり、心配のないことだと言われています。
そして、夜間の睡眠中に分泌が盛んになり、夜尿は成長とともに減り、3歳になると、お
およそ半分が夜尿をしなくなります。
このように、夜尿のほとんどが発達過程におきる生理現象といえます。
また、夜尿を早くなおそうとして夜、起こしをしているお母さんがいますが、夜尿起こしは悪化させます。夜間の睡眠が乱れて、尿量を調節するホルモンが減って尿量が多くなり、夜間に膀胱に尿をためない習慣がついてしまいます。
夜尿は、寝る前に失敗しまいと思っても寝ている間におしっこを漏らしてしまうものです。それは、まだ体の機能が未熟なためにどうにもならないことが多いので、子どもを叱ることはやめましょう。叱ると劣等感をもったり、不安や緊張から意欲がなくなっていきます。
対策としてはおねしょパッドを敷いたり、失敗のことを話題にせず水分の取り方を午前中に多くして夕方からの水分を減らし、あたたかく見守ることが大切です。
なお、6歳以降になっても頻繁に続く場合は、夜尿症として生活指導や治療が必要になりますので注意していきましょう。
夏の子どもの部屋と環境
子どもの過ごす部屋の室温は一定に保ち28℃を目安に、湿度は55~65%が適切でしょう。子どもは体のわりにカロリーをたくさん取っていて大人よりも暑がりです。
室温は大人がちょうどよいと感じるよりやや低めに保ち、寝かすときには薄手のタオルケットやバスタオルをかけましょう。
気温が安定しないエアコンの近くや扇風機の近くに子どもを寝かせないようにして、蒸し暑い夏はクーラーや除湿機能を適度に利用し快適にしましょう。
また、冷房をすると足元ばかりが冷えてしまいますので、そういう時にはエアコンと扇風機を併用しましょう。どちらも、エアコンと併用することで、夏は床にたまった冷たい空気を部屋全体に循環させ、室温のムラを解消できます。
エアコンの設定温度を上げても快適に感じるようになり、省エネにもつながります。
一日中、エアコンをつけっぱなしにせずに朝や夕方は窓を開け、自然な風を入れることも大切です。
実際は温度が高くても風が当たることで涼しく感じることも併用する理由の一つです。
これからの暑い夏を快適に過ごせるように工夫してみましょう。
参考文献
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「 初めての育児12か月 」
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「 0~3才 個性を伸ばす能力を育てる 」
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