今月のテーマ
・赤ちゃんことば
・子どものかみつき
・あそび食べ
・あたらしい環境
赤ちゃんことば
1歳前後には「ママ」「パパ」などのことばが出始めます。子どもたちも成長するにしたがってことばも増え、「マンマ」「ブッブ」と言っていたことばが次第に「ごはん」「じどうしゃ」へと変化していきます。
しかし、周りの人たちが可愛いからと赤ちゃん扱いして一緒になって「クック、ハキハキシヨウネ」というような言葉を使っていると、何の違和感も感じないままいつまでも赤ちゃんことばのままの場合があります。
逆に赤ちゃんことばを気にするあまり子どもに言葉をしつこく注意したり、言い直させたり、笑ったりすると反発して言葉を話さなくなることもあります。それよりも子どもの赤ちゃんことばを聞き入れながら、さりげなく正しい発音でゆっくりはっきりと話していくといつのまにか言葉が変わってきたり、増えたりします。
また、子どもの生活環境が変わったり、下に赤ちゃんが誕生して急にお兄ちゃん扱いされたりと不安定な心を抱えている時などにでるサインとして、赤ちゃんことばを使うこともあります。そのような時には、親といっしょに過ごせる時間を作り、遊びやスキンシップなどを通して「あなたが大好きよ」と感じ取れるようにしてあげるとよいでしょう。そうすることで自然に、赤ちゃんことばではなく自分のことばで話すようになるでしょう。
子どもの成長において、かわいい赤ちゃんことばを楽しみながらより添っていきましょう。
子どものかみつき
子どもの育ちの段階で、「自分で~したい」という自分の思いが育ってきます。また友だちへの関心もふくらみ、いっしょに遊びたい気持ちも育ってくる時期があります。友だちと遊びたいけれど、まだ言葉で相手にうまく伝えられず、思いあまって、かんでしまったりします。やがて、「いっしょにあそぼう」「入れて」「いいよ」「いや」等と、お互い気持ちが言葉で言えるようになると手を出したり、かみつくことも少しずつなくなっていくことでしょう。
親はわが子に対して、「わがままになってしまったのかな」「なんでかみつくの」と困ってしまうこともありがちですが、自分の思いや感情が芽ばえているという証なのです。
どんな思いや願いを表現しようとしているのか、子どもの思いを理解することが対応を考える出発点となります。うれしかったことや悔しい思い、さまざまな行動や感情に共感していきましょう。自分の思いが十分に受けとめられ、認めてもらえた子どもは”かみつき”が少ないと言われています。親や周りの大人が子どもの気持ちにより添いながら、その時の思いを受けとめてみましょう。また、子どものかみつきが頻繁なときや理由が分かりにくい時こそ子どもの行動を観察し好きな遊びが見つけられているか、子どもが困っていることはないかなどを確認してみましょう。
子どもの好きな遊びや場所を見つけ、遊びの楽しさを新たに発見したり、ともだちとのかかわり方を豊かにしていくことによってやりたい事の発散ができ“かみつき”は徐々に減っていきます。その際は、子どもがまだ十分に言葉に表現できない思いを親が言葉にし、子ども同士のやりとりの仲立ちとなることも大切です。
あそび食べ
あそび食べは、成長する過程で当たり前に起こす行動です。あそび食べは離乳食を始めてしばらく経ったころに、子どもが食事中に見せる以下のような行動をさします。
・食べ物に手を入れてぐちゃぐちゃにする
・食べ物をわざと落とす
・食器やスプーン等を投げる
・スプーン等で食器を叩く
・食事中にウロウロする
・椅子やテーブルの上に立つ
あそび食べは親や大人から見ると行儀がよくないと思いがちなです。食事中に子どもがあそび食べを始めたらふざけて遊んでいるようにしか思えず、やめさせようと必死になったり食べさせ方がわからなくなり、落ちこんだりすることもあるでしょう。しかし、この時期の子どもは、自分の意思で手足を動かせるようになったばかりで、とても好奇心が旺盛です。目の前にあるものは何でも自分で触って確かめようとします。
あそび食べをする理由としては、食への興味や好奇心が高まるほかにお腹が空いていないことや、大人の気を引くためにしていることがあります。間食を見直したり、食事の時間を空腹で迎えられるようにしましょう。
あそび食べの対応として、掃除が楽な環境をつくり子どもには少し大きめのエプロンを着せ洋服の汚れを防いだり、テーブルの下にはレジャーシートや新聞を敷くことで拭き掃除の手間を減らし、使い捨ての水拭きシートを使うなども手間も省ける方法のひとつです。
家族といっしょに楽しく食事をすることで食べる事も好きになり、あそび食べも見られなくなっていくことでしょう。
あたらしい環境
春は、子どもや家族も新鮮な気持ちで期待に胸をふくらませる時期です。その一方で親が思っているよりも子どもは環境変化には敏感で、少しの不安からそれが高まりすぎるといつもと違う行動や症状がでることがあります。
子どもが体調を崩したり癖のような繰り返す症状が出ることもあり期待の反面、そのようなわが子を目の前にすると、親も不安になったり気落ちすることもあります。
このような時こそわが子に向き合い、
・子どもの話しに耳を傾けて聴き、ありのままの姿を受けいれる
・今できていることをほめる
・親子の時間を楽しくすごしてみる
・生活リズムを整え、家族が落ち着いた生活ができるようにする
そして、親が子どもを優しく抱きしめたり、「がんばろう」ではなく、「がんばっているね」など言葉にしてほめてみましょう。子どもは少しずつの「安心感」と親に認めてもらったことで元気がわいてきて、集団生活に入っていけるようなひとつのきっかけとなるでしょう。
気軽に、園や学校などに相談してみましょう。
参考文献
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続 発達がわかれば子どもが見える
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0歳児から5歳児行動の意味とその対応 ほか
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