今月のテーマ
・楽しく仕上げみがき
・小さなおもちゃに注意
・子どもの爪
・抱っこは「心のささえ」
楽しく仕上げみがき
子どもの歯を大切にしたいけれど、子どもが歯みがきを嫌がってなかなかできないと聞くことがあります。熱心になりすぎて磨く手に力が入りすぎたり、黙々と磨かれる方も少なくないので、子どもとの遊びの中でお膝に寝かせて、お顔、お口周りに触れることで仕上げみがきの受け入れも良くなります。子どもを仰向けに寝かせ、大人の膝に頭を乗せる寝かせみがきをおすすめします。
まずは、子ども用と仕上げ歯みがき用と、2本の歯ブラシを準備しましょう。
子どもにも親にも負担のない仕上げみがきのポイントとしては、
- 歯ブラシの動かし方
歯ブラシは鉛筆と同じように持ち、歯1~2本の範囲で歯ブラシを小刻みに振動させるように動かします。子どもに痛みがないように、小刻みな動きを意識しましょう。
- やさしくみがく
仕上げみがきは、ソフトタッチでみがいてあげることが大切です。ソフトタッチでも、汚れを十分に取ることができます。
- 呼吸のタイミングを取る
みがいている途中で子どもが呼吸をしたり、つばを飲み込んだりする時間をとります。余裕をもって、子どもの表情を見ながら歯をみがきます。
例えば、子どもの好きな歌や歯みがきの歌を歌いながら、1番の歌のときは上の歯、2番の歌は下の歯をみがくこともリラックスするきっかけとなり、そしてみがき終わった後は笑顔でできたことを喜びあいましょう。
みがき方を工夫することで、親子で歯みがきを気持ち良く過ごせる時間になっていくことでしょう。また健診の際に、歯について歯科衛生士に話しを聞いてみるのもよいでしょう。
小さなおもちゃに注意
子どもの突飛な行動に大人はびっくりすることがありますが、鼻や耳に物を入れて取れなくなり、病院を受診することは意外とあるようです。
子どもが鼻や耳に入れてしまうものは、ビーズやビー玉、レゴ、おもちゃの小さな部品やBB弾、消しゴム、ピーナッツなどの豆類、どんぐり、植物の種などたくさんあります。また子どもは鼻や耳に物を詰め込んで取れなくった時、親に叱られると思ってそのことを話さずにいることさえもあります。
長い間鼻に異物が入ったままにしておくと、異物が入った片方の鼻から悪臭が漂ったり、鼻水がだらだら出続けることがあり、なかには鼻水等で詰まっているものがさらに膨らんでしまい余計に鼻から取れなくなってしまうもの(豆類など)もあります。
耳の場合は、痛がったり、耳だれしたり、耳の聞こえが悪くなるなどの症状が出ます。
処置が遅れるのを防ぐためにも、子どもが鼻や耳を触っているなどいつもと違う様子がないか子どもの変化に気づいてあげることが大切です。
もし、おかしいと思ったら決して子どもを叱るようなことはせずに、なるべくやさしく聞き出してください。そして、あせって鼻も耳も、ピンセットなどで異物を取り出そうとすると逆に奥に押し込んでしまうことや無理に取り出そうとすると、鼻の粘膜を傷つけて出血したり、耳の内部を傷つけてしまうおそれがあります。誤って鼻の奥に押し込んでしまうと異物が取れなくなるだけでなく、気道に入り込んで窒息の原因になりかねません。特にボタン電池は大変危険で、粘膜などの組織を壊してしまうこともあり一層の注意が必要です。何をいつ頃入れたのか確認して、耳鼻科を受診しましょう。
子どもの安全のために、遊ぶ前にはおもちゃの安全をチェックをし、飲み込んだり鼻や耳に入れてしまうような小さなものはないか、おもちゃが破損していないか、電池カバーが外れるなどしていないか確認をしましょう。子どもが言葉を理解できるようになったら、鼻や耳に物を入れるのは危ない事だと、しっかり子どものわかる言葉で伝えていきましょう。
子どもの爪
子どもの爪は薄く弱いので先がかけたり、はがれたりしやすいものです。
子どもの手の爪トラブルで多いのが、指先が腫れる「爪周囲炎」です。指しゃぶりや爪かみが原因で爪の周囲からばい菌が入り、化膿して強い痛みを引き起こします。指しゃぶりや爪かみの多い子どもは、気をつけましょう。
また足の爪のトラブルは、靴のなかで足の指がずれることで「巻き爪」や「陥入爪」になることがあります。いずれも足の親指に起こりやすい症状で強い痛みを伴います。子どもの足と靴のサイズがあっていなくて深爪の状態でいると、周りに力が加わって爪が指まわりの皮膚に食い込み「陥入爪」を起こしやすくなりますが、爪の切り方を正しくすることでトラブルを予防できます。
切り方としては、
- 爪の白い部分をほんの少し1mm程度残すように切ります。
- 爪の丸みを意識せず、角ばった状態にしましょう。丸く切ると爪の端が指先の皮膚に当りやすくなります。
- 切った部分を爪やすりで削ります。切りたての爪はひっかりやすく肌を傷つけやすので、角の部分を削ります。
子どもの安定した歩行のためにも、靴のサイズや爪の切り方などを意識してみましょう。0~2歳くらいまでは、爪が小さいので赤ちゃん用の爪切りを使うとよいでしょう。
抱っこは「心のささえ」
乳幼児期の子どもはすぐ「抱っこ」といいますが、いろいろな場面によって、抱っこを求める意味合いも異なります。
知らない人と出会って不安な時や、困った時、転んで痛い時などは、親にまず抱っこをせがみ安心したいのです。
人間以外の動物は、危機的状況に置かれると必死で逃げますが、人間の子どもだけは泣いたり抱っこを求めます。抱っこしてほしいときは、親の所に自分から走り寄って両手をあげて、さらには背伸びをするようにつま先だって全身で抱っこをせがみます。
特に、まだ言葉で十分に気持ちを伝えきれない子どもにとって、抱っこは本能的に愛情を感じることができ安心感を得ることができます。抱っこすることで、子どもへの愛情がしっかりと伝わります。
また、一緒に歩いていてすぐに抱っこという場面もあります。
決して距離が長いわけでも、疲れているわけでもありません。抱っこを求められたら甘えではなく、「不安だったの?」「疲れちゃったの?」と、言葉にして安心させて出来る限り抱っこしてあげましょう。
子どもは抱っこされて安心して、少しずつ自立していきます。いっしょに歩いている時の抱っこは「あそこの電柱までね」など、目標を決めて折り合いをつけたり、「わんわん見に行こうね」「お店まで歩いて行こうね」など、子どもにも目的を持たせいっしょに歩くのもいよいでしょう。
抱っこができない場合でも手を握ったり、ぎゅっと抱きしめたりして、抱っこ出来ない理由をわかりやすく話してあげましょう。手を握ることでも安心感は伝わり、子どもはひとりの人間として尊重されているとわかれば我慢もできるものです。
出来るだけ安心できるような言葉かけをし、子どもの気持ちに寄り添った「抱っこ」をしてみましょう。
参考文献
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独立行政法人 国民生活センター「くらしの危険」
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NHKすくすく子育て情報・まいにちすくすく
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はじめてのおうちモンッテソーリ 他
※聞いてみたいテーマがあればコメント欄にお寄せください。