今月のテーマ
・薄着の習慣
・子どもの描き方
・危険なことのしつけ
・指しゃぶり
薄着の習慣
子どもは体をよく動かして遊ぶので、新陳代謝が激しく暑がりです。とくに冬には風邪をひかせてはたいへんと、つい厚着にさせがちですが、大人より1枚少なくを目安にしてください。
最近は、どこでも冷暖房設備が整っていますが、子どもは体温の調節がうまくできないので、時と場所に応じてこまめに着たり脱がせたりしましょう。暑い寒いを感じるのは、小さいときからの習慣にも左右されますので、なるべく薄着の習慣をつけましょう。
また、薄着だと運動しやすいので、よく動けます。動くと食欲もでて夜もぐっすりと眠り、自然に皮膚や粘膜がきたえられ、体がじょうぶになり風邪もひきにくくなります。
誰もがひかせたくないと思っている風邪は、万病のもとといわれます。風邪は、ウイルスの感染によるものですが、ウイルスがあっても抵抗力が強ければ感染しにくく、たとえかかっても軽い症状ですみます。
ふだんから、風邪にかかりにくい抵抗力の強い体にしておくことが大切です。また、寒いからといって外へは出さずに、暖かい部屋の中ばかりにいる子どもは、運動不足にもなります。外の冷たい空気にあたることによって、体のいろいろな器官も鍛練され、抵抗力が養われます。
家庭でもできるだけ外で遊ばせ、室内では上着を脱ぎ薄着の習慣をつけさせるように心がけましょう。
子どもの描き方
1歳半頃になると、クレヨンをもって「なぐりがき」をはじめます。ぐるぐると連続した線や丸のようなものをかき、まだ、手先が不器用で握り方もうまくできずに力も弱いので線も細いものです。
さらに、2歳頃になると丸などがかけるようになります。子どもにとっていちばんかきやすいのは丸のようです。
3歳児になると、体のいくつかの機能を連続して動かせるようになり、目の筋肉と手や指の筋肉を連動させることができるようになるので、形のあるものがかけます。「目と手の協応」ができるようになったためです。自分の方にとんでくるボールを見て、ボールの動きに合わせて手を動かし、受けとることができるようになります。このころは、色もかなり認識できるようになり、赤・黄・青などの色の名前を言ったり、ほしい色を選んだりできます。
また、絵をかくことで子どもの空想力が広がり、手先の器用さも身につきクレヨンや紙を用意して、いつでも自由に描けるようにしましょう。
注意してほしいことは、子どもが何も言わないのに、「これ、何をかいたの?」と聞いたり、「こういうふうにかきなさい。」とか「ここに○○をかいたら」などと形や色を教えたり無理じいはしないほうがいいでしょう。
子どもの自由な意思と発想を尊重して、好きなように描かせてみましょう。
危険なことのしつけ
乳幼児の事故のほとんどは、大人の不注意のために起こることがあります。赤ちゃんや幼児は好奇心のかたまりであれにもさわってみたい、これもいじってみたいという気持ちがいっぱいです。
赤ちゃんの行動範囲で危険なものはないか、周りの大人はいつも気をつけましょう。それには、畳に何が落ちているかは、いっしょにハイハイをしてみるとよく分かります。
また、子どもの成長に応じて何度もチェックし、「まだ届かないから」とか「まだ開けられない」などと思っている間に、子どもはいつの間にかできるようになっています。
事故が起きてから気がついたのでは間に合いません。
ハイハイや歩行で自由に動けるようになると、「危ないからダメ!」と禁止しがちになりますが、「ダメ」ばかりでは、せっかくのやる気を奪ってしまいます。時には走ったり、高いところに登ったり、跳び下りるなどの冒険心も強くなりますが、危険なものだけは片付けて、手は離しても目は離さないようにしましょう。
ただし、熱いものに触ろうとする時や道路に飛び出そうとする時など、ほんとうに危険なことには厳しい口調と顔で「ダメ!」とすぐに注意することは絶対に必要です。繰り返し教えていくことで分かっていくでしょう。
指しゃぶり
赤ちゃんの指しゃぶりは、心の安定を保つための本能的な現象とされています。そして成長とともに少なくなり、4~5歳になれば自然と見られなくなるのが普通です。しかし、5歳ぐらいになっても指しゃぶりが続いている場合は、顎の骨にも影響し、永久歯に生え変わってもかみ合わせが悪くなる(不正咬合)おそれも出てきます。
また、上顎と指に挟まれた前歯が指をしゃぶるために前に傾くので舌が突き出て、発音に障害が起こる可能性もあるとされています。
このような不正咬合は指しゃぶりをしている子どもに起こるものだけではないのですが、その頻度や強さにもより生まれつきの体質にも関係しているようです。したがって、早く指しゃぶりを卒業させるためには、子どもの心が安定するような生活環境を整えることが第一です。
昼間、しょっちゅう指をしゃぶっている時は生活をチェックしてみましょう。あまり相手をしてもらえなくて、さびしいのかもしれません。
指しゃぶりの弊害を恐れて「言い聞かせる」「叱る」「刺激物を塗る」など強制的な手段をとると、子どもにとってストレスとなり、かえって指しゃぶりを長引かせてしまいます。また、子どもの日常生活にも影響し、子どもの自立心が損なわれることになります。
家庭生活の中で子どもが順調に発育している限り、指しゃぶりそのものに気を止めず、一緒に遊ぶことや関わりを増やしてみましょう。
参考文献
- 3歳までのしつけ
- のびのびしつけブック 他
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