今月のテーマ
・「ほめる」はクスリ・過ぎればリスク
・気になる乱暴な言葉
・しつけ楽しくうがいの習慣
・やけどに注意
「ほめる」はクスリ・過ぎればリスク
昨今、子どもを「ほめて育てよう」という考えが主流になっているその一方で、「ほめてばかりじゃ 、子どもがつけあがる」という考えもあります。
子育てには、真っ二つの意見が少なくありません。どんな時にほめるのがよいのか、どんなタイミングなのか、すぎるほめ方は回数なのか、内容なのか、「ほめるも叱るにしても、いったいどっちがいいの!」と混乱しそうです。
そこで、ひとつの例を紹介します。
4歳の男の子は、夕食を作っているお母さんのところにきて、大きいごみ袋を1枚もらって何をするかと思ったら、ごみ袋をマントにしてお母さんの前を猛烈アピールして通過しました。声をかけると「スーパーマンだよ」というので、「スーパーマンだから、早いんだ!」と大げさに驚いてみせると、部屋中を駆けまわるので、さらに「さあっすが、スーパーマン」。
「ほめる」はクスリ!人をその気にさせる特攻薬です。
ところがこのあと、度を越えました。部屋中を走りまわった後、しばし姿が見えなくなったかと思うと…、「とうりゃ~!」どっしーん!突然、ものすごい奇声ともの音がしたかと思うと、「いたい、いたい」とうめく声が聞こえてきました。なんと、2メートル近い棚の上から飛び降りたのです。ほめすぎたせいで思いこんでしまったのでしょう。「あそこからだってとべる!だってぼくはスーパーマンだもん」と!。幸い軽い捻挫ですんだようです。
ほめすぎはリスク!になることもありますが、誰しもほめられることは嬉しいものです。
これを参考に、「ほめる」はクスリ!になるように、どこまでほど良いほめ方をするか、まずは子どもと向きあい関わることを大切にし、クスリとリスクのバランスを心がけてみましょう。
気になる乱暴な言葉
子ども同士や親子の会話の中で、「どこで覚えたの?」「この言葉はあまり使ってほしくないな」と思う子どものことばがあります。
なかでも大人が乱暴に感じる言葉は、子どもにとっては格好良く思えたり、たくましさや強さを感じるようで伝染しやすくなります。自分がその言葉を使うことで、自分も強くなった気がするのです。
また、友だちと近い関係になりつつあるとき、同じ言葉を使おうとすることがあります。多くの場合、子ども自身が「『悪い言葉』を使おう」と思っていたり相手の気持ちまで考慮しているわけではないのです。もちろん、言葉は言われた相手の受け止め方では非常に攻撃的なものにもなったり、不感を感じたりする言葉の危険についてはわかる言葉で伝えましょう。
もし、子どもが使う言葉が度を越して不快感を与えるような時は、言われた相手がどんな気持ちになるかを一緒に考えましょう。
たとえば、子どもは「キモい」などのきつい言葉を使ったとき、その言葉が自分が言われたらどんな気持ちになるかたずね、身近な大人が「私はそう言われたら悲しくなる」「その言い方は怖いよ」など、その言葉を耳にしたときの気持ちを簡潔に伝えることも子どもの気づきにつながります。
一方的に禁止するよりも、こうした気づきの力を育てましょう。この時に注意してほしいのが「こんな言い方をする子は好きじゃない」という言い方は避けた方が良いでしょう。「この言葉は好きではない」と「この言葉を使う子は好きではない」、微妙な違いですが、後者では子どもは「そんな子(あなた)は好きじゃない」と自分を否定する言葉として受け取ってしまうことがあります。
あくまでも「『言葉が』好きではない」という言い方をしましょう。
子どもの言葉や口調が変わったと感じるときは、子どもの世界が広がり、新しい人間関係ができてきている場合が多いのです。しかし、すべてを頭ごなしに禁止にすれば「自分の気持ちを分かってくれない」という反発心が生まれる可能性があり、まず子どもの気持ちや背景に目を向けておおらかな気持ちで受け止めましょう。
そして大人も子どもも、ポジティブで心地よい言葉使いを目指しましょう。
楽しくうがいの習慣
かぜや感染症の予防には、手洗いとともにしっかりうがいをすることです。食後やおやつの後にする「ぶくぶくうがい」と、遊んだ後や外から帰ってきた時、食事の前にする「ガラガラうがい」を使い分けましょう。
【ぶくぶくうがいの仕方】
- 口に水を含んで閉じる
最初は親が、実際にひととおりやって見せてあげましょう。 - 片方のほっぺたを膨らませる。
子どものほっぺたを指さしながら、交互に水を移動させることを知らせましょう。 - 反対側に水を移動させ、「ぶくぶく」と繰り返す。
- 下を向いて水を吐きだす。
【ガラガラうがいの仕方】
- 口に水を含んで閉じ、上を向く。
- 口を開けて、のどで水を「ガラガラ」させる。
~ちょっこっとアイディア~
*うがいをする場所が室内なら、目印として天井にイラストを張っておき、それを見ながらうがいをしましょう。
どのくらい顔を上げたらよいのか目安になるとともに、のどの奥まで水が入り、しっかりうがいが出来ます。
*ぶくぶくうがいを1・2回した後、約10秒間のガラガラうがいを2・3回します。
おとなが、「ば・い・き・ん・さ・ん、さ・よ・う・な・ら」とゆっくり傍で言ってあげると、それに合わせて10秒くらい頑張れるでしょう。
*お風呂に入った際に、ガラガラうがいを練習するのも取り組みやすい方法のひとつです。
まずは、ぶくぶくうがいからはじめることで子どものうがいの習慣となり、それを継続しつつ楽しくガラガラうがいができるように工夫してみましょう。正しくうがいをすることでばい菌が逃げていき、かぜや感染症の予防ができることも知らせましょう。
やけどに注意
冬は暖房器具を使ったり、なべ料理などの熱い料理を作る機会も増えるため、子どものやけどに注意が必要になります。
家の中で事故が起こりやすいのは、居間や台所、お風呂場が多く、ストーブ・アイロン・ポット・鍋・やかん・炊飯器などでのやけどに気をつけたいものです。
また、加湿器や電気ポット、電気炊飯器など蒸気によるやけどは深いやけどになりやすく、特に子どもの皮膚は薄くてやわらかいので注意が必要です。子どもの手の届かないところに置くようにしましょう。
あわせて、気をつけていきたいのは高温だけでなく、電気カーペットや湯たんぽ、フアンヒーターなどのそれほど高温でない熱源に長時間あたることで起こるやけど、「低温やけど」があります。
電気カーペットの上で寝てしまった場合など乳幼児では、低温やけど以外にも脱水症状から熱中症をおこす場合もあり、大変危険です。子どもが寝てしまったら、スイッチを切り、場所を移すなどしましょう。
もし、やけどをしてしまったらまず水道水やシャワーをかけて冷やします。衣服の上からやけどをした時や、衣服を脱がせると皮膚がはがれるなどダメージが大きくなる心配がある時は、衣服は脱がせず服の上からシャワーをかけて冷やします。範囲が広い、深いやけどの時は、氷をいれた袋などで、冷やしながら病院へ行きましょう。
やけどを起こさない為には、原因となるものを子どもの手の届かないところに置いたり、柵で囲うなどの対策をしましょう。
また、入浴させる前にお湯が熱すぎていないか、また蛇口は熱くなっていないかの確認をして、子どもにも「熱いからさわらない」などの声かけをして、繰り返し注意を促すことが大事です。
参考文献
- 3歳からは、褒めて、認めて、ちょっと叱る:PHP研究所
- こどものせかいにあそびにいこうHP
- 最新赤ちゃんの病気、新百科 :ベネッセコーポレーション 他
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